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栄養と料理セミナー第3回:ラクトフェリンと食中毒対策

第2回目は、いま話題の「腸内フローラ」とビフィズス菌BB536についてお話しさせていただきました。お読みいただけましたか??第3回はラクトフェリンと食中毒対策がテーマとなります!
今回お話を聞いたのは、女子栄養大学教授 上田成子先生と森永乳業株素材応用研究所 織田浩嗣です。

<上田先生>
■細菌性やウイルス性の食中毒には、どんなものがありますか?

細菌性の食中毒には、サルモネラ菌やカンピロバクター、病原性大腸菌、ボツリヌス菌などがあり、気温の高い時期に急増します。ウイルス性のものはノロウイルスなどが有名で、そのほかにも子どもが発症するロタウイルスなどがあり、冬場に多くなります。食中毒菌は、腐敗のように味やニオイ、見た目では感知できないところが怖い点です。

■近年増加傾向にあり、注意しておくべき食中毒はなんですか?

近年の食中毒では、かつて多く起こっていた生魚による腸炎ビブリオの食中毒は、食品流通の進化により減少傾向にあります。一方、増加傾向にあるのは、鶏肉や不十分な殺菌によって起こるカンピロバクターや、牛肉などが原因の大腸菌O157(腸管出血性大腸炎)による食中毒です。また、卵や鶏肉に多いサルモネラ菌、ブドウ球菌、ウェルシュ菌による食中毒にも注意が必要です。

さらに、ブドウ球菌や大腸菌O157や穀物由来のセレウス菌などは、体内で強い毒素を作り出す菌でもあり、命取りになってしまうこともある大変恐ろしいものです。

■食中毒を予防するには、どのようにすればよいですか?

まずは、細菌の性質を知っておくことが大切です。食中毒菌は栄養、水分、酸素を好み、30~40℃で急速に菌が増えます。ただし、75℃以上の高温には弱いので、生の食材や調理後の料理を室温で長時間放置したり、食材の加熱不足には注意しなければなりません。

特に、食中毒予防のために注意をすべきことをまとめました。
・生の肉や魚は、汁が他の食品に触れないよう、ビニール袋などに入れ冷蔵。早めの調理を心がける
・唐揚げやハンバーグは中心部に竹串を指して、血がにじむようならまだ加熱不足なので、
 さらにしっかりと加熱をする
・肉の生食は、国の生食用食肉の衛生基準を満たした肉以外は食べない
・焼肉をする際は、食事用の箸と生肉用の箸を分ける
・カレーなど濃度のある汁物を、室温で長時間放置するとウェルシュ菌が増える危険があるので、
 室温では置かない
・野菜料理は、食材の生産や調理の過程で付いた菌が、暖かい場所で増えてしまうので注意する
・低温で増殖する菌もあるので、冷蔵庫を過信するのは禁物
・冷凍をしても多くの菌は仮眠状態に陥るだけで、解凍と同時に活発に増殖するので、
 加熱をしっかりして早めに食べる

調理後は早めに食べ、保存する場合は急速に冷やして冷蔵することがおすすめです。

■食中毒の予防に関して、食材以外に気をつける点はなんですか?

調理前の手洗いや、台所の衛生管理は大切です。調理用具やふきん、食器は洗浄後に熱湯をかけて、よく乾燥させることがポイントです。

一番大切なことは、栄養と睡眠をしっかりとり、体を動かして、くよくよしないで体を健康に保つ「強い体づくり」をすることが、食中毒予防の基本となります。


<織田>
■ラクトフェリンとはなんですか?

ラクトフェリンは、母乳(特に初乳)に多く含まれているタンパク質で、赤ちゃんを病原体から守る働きがあると考えられています。また、涙、鼻水、唾液など外敵が侵入する部位の粘液や、血液中にも含まれ、赤ちゃん以外にも重要な成分と考えられています。

■ラクトフェリンには、どんな働きがありますか?

ラクトフェリンは、冬のノロウイルス対策で注目を集めていますが、春に流行するロタウイルス胃腸炎の下痢や嘔吐の症状を軽減することも、保育園児を対象とした臨床試験で報告されています。

また、夏の食中毒菌対策でも注目を集めていて、大腸菌O157、サルモネラ、黄色ブドウ球菌などに抗菌作用を示すことが知られています。さらに、食中毒菌などを原因とする下痢の症状を軽減することが、小児を対象とした臨床試験で報告されています。
このように、ラクトフェリンにはウイルスや細菌の感染を防ぐ効果が期待されています。

■ラクトフェリンが、感染から体を守ってくれる仕組みを教えてください。

ラクトフェリンは直接的な抗菌・抗ウイルス作用により細菌やウイルスの感染を抑制するだけでなく、私たちの身体の最大の免疫器官である腸管の免疫系を活性化し、細菌やウイルスの感染を間接的に抑制すると考えられています。

さらに、ラクトフェリンが胃の消化酵素で分解されて生じるラクトフェリシンは、ラクトフェリンより優れた抗菌作用をもつことが知られています。

以上のような仕組みで、私たちの身体を感染から守ってくれると考えています。

■どのようにすればラクトフェリンは摂取できますか?
また、どれくらいの量を、どのように摂取すれば効果的ですか?

ラクトフェリンは、加熱処理されていない乳製品(ナチュラルチーズなど)や、ラクトフェリン入りのヨーグルトなどから摂取できます。ラクトフェリン自体は、育児用ミルクにも配合されている安全な成分です。

摂取目安量ですが、年齢を問わず1日100mg、週4~5回以上摂取でノロウイルス感染の抑制が見られています。ラクトフェリンには、腸内環境の改善、歯周病菌やピロリ菌の抑制、発がんリスクの低減など様々な効果が報告されており、健康のために毎日摂取することを習慣づけたいですね。

今回も次の記事で、ラクトフェリンを摂取するためのラクトフェリンヨーグルトを使ったレシピをご紹介します!毎日の健康習慣、続けてみてくださいね♪♪

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森永乳業ではラクトフェリンとノロウィルスに関するページを作っていますので、もっと詳しく知りたい方はコチラから!

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